レジという制度は死滅すればよい

 今日、スーパーの特売に行った。

 買うものを吟味し、小計を暗算し、レジへ。

 「1045円です〜」
 僕は頭が真っ白になった。1000円しか持っていなかったからだ。


 どこかで暗算を間違ったか?いや、そんなはずはない。しかし、レジに表示されているのはまぎれもなく。もしかして老化?老いた?僕は暗算すら出来ない人間になってしまったのか…。いや、今はそんな事を考えている暇はない。とりあえず、先に何か言わないと。

 「これ抜いてもらえます?」


 屈辱。そして、僕は逃げるようにスーパーを去った。

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 帰宅して心が落ち着いた頃、僕はまだ納得がいかず、レシートを見てみた。

 なんとそこには、特売98円となっていた筈の低脂肪乳が168円と表示されていたのだ。


 僕は怒りに打ち震えた。
 絶対許さん。僕の心をいたづらに弄んだこのスーパーを爆破してやる!


 そんな怒りをもとに、僕は低脂肪乳を一気飲みしたのだった。